山の保全と活用
広島県世羅台地の西端部に位置するK高原の牧場跡地の利用構想。
2000年に自主企画提案を行った。
周辺の地形条件や広島市からのアクセスなどを勘案し、「スイス・アルプスの村」をキャッチ・フレーズとした「観光農園・花園・牧畜生産をベースとした田園のアミューズメント」ゾーンの形成を提案している。
敷地約30haのうち、13haを整備し、レストハウスやSOHO住宅を設置する内容。
現地形とこれまでの牧畜生産の歴史をいかしながら、都市住民の新しいライフスタイル志向に対するサービスビジネスを構築する、という考え方が基本となっている。
1998年に山口県が策定。
暮らしと強く結びついた森であった里山を再生して「新しい里山文化を創造する」ことを理念として掲げ、「明るく見通しの良い里山が美しく再生し、そこで人々が集い、出会い、良き思い出を育てることを通して、農山村と都市とがともに栄えていくような県土づくりを目指す」ことを目標とした構想。
基本方向として3つの項目をあげ、22の推進方策を提起するとともに、モデル・プロジェクトとして「里山キャンパス」の整備を提案。
基礎的な調査から構想のとりまとめまで全般を担当し、策定後のプログラムのひとつである「里山マイスター養成講座」の講師も務めた。
(1) 近い森をつくる
-1.美しい里山をつくる
-2.近づきやすい里山をつくる
-3.参加しやすい里山をつくる
(2) 里山を知る
-1.里山に目を向ける
-2.里山の理解を育てる
-3.里山の体験を深める
(3) 里山人を育てる
-1.里山の案内人を育てる
-2.里山のボランティアを組織化する
-3.里山の暮らしを魅力的にする
中山間地域研究センターは、島根県赤来町に2002年に竣工・オープンした。
1999年から2000年にかけて、敷地利用計画の立案とりまとめを担当。
研究プランにもとづき、施設構成、土地利用計画、造成計画、環境整備計画等、敷地利用に関わるトータルな計画を提案。
同センターの基本コンセプトである「架ける」「繋ぐ」を物理的な環境に翻訳して、環境形成の目標を「持続する里山」とし、(1)効率の良い土地利用と将来への柔軟性、(2)働きやすい研究環境、(3)多自然居住地域の中核施設にふさわしい環境、の3点に留意した提案となっている。
事業化にあたっては状況に応じて若干の変更が加えられたが、緩傾斜造成面を基本とし、できるだけ人工法面・擁壁を設けないという方針が貫徹され、目標は充分に達成されている。